ちょっといい話。
最初にお断りしておきます。この記事には内容の都合上、
ネタバレが含まれておりますのでご注意ください。
それは、まだ2が発売される前の事でした。
私には固定の友達(いつも一緒に潜るとか・・・)が居なくて、
ロビーで仲間を探す毎日でしたので、その日もロビーでうろついていたんです。
すると、
「どなたか一緒にH遺跡に逝きませんか〜?」
・・・なんだか、仲間の誘い方が微妙な人が居ます。
私はなんだか興味をそそられて、その人の誘いに乗ってみました。
「ありがとうございます〜(ふかぶか)。
わたし鉄なので、生肉の方が一緒に行ってくださるととてもたすかるんです〜」
その人は青い小柄なレイキャシールで、わたしはヒューマーです。
鉄は分かるとして生肉って、どうにかならないものか。
「はぁ、でも構成物の観点から言えばとても正しい事ですー」
・・・これからの冒険に一抹の不安を感じました。
さて部屋を作り、いざ冒険です。
彼女の名前は・・・読めなかったです(爆)
英語の苦手なわたしには診たことも聞いた事もない難しい言葉です。
え、エンシクロペダイアーでいいのかな?
「駄目です」
え、じゃあ何て読むの?
「いえ、読み方なんてどうでも良いんです。
そんな長い名前は打つのが大変でしょう?
だから駄目なんです〜。ペディとでもよんでください〜」
ちょっと、彼女に(プレイヤーさんの性別は不明です。あしからず)
安心感とか好意のようなものを覚えました。
そんな細かい気遣いを見せてくれる人なんて今まで見たことなかったからです。
そんなこんなで、自己紹介も準備も終えて森へゴーです。
わたしのレベルは60後半。彼女のレベルは30ちょっと程度といったところです。
わたしは当然自分のほうが強いと思い、
自分が敵を倒すようにしてやろうと思ってました。
・・・甘かったです。
彼女は肩にいかついバズーカを担いで、ブーマーやらひよこやらを、
片っ端から灰にしていきます。
でも、明らかに効率が悪いのです。何せバズーカですから。
そのことを彼女に言ってみると
「このほうが楽しいじゃないですか?」
?
「あ、ごめんなさい。お嫌なら止めます〜(汗」
いやそんなことないけども・・・楽しいって?
「えぇ、経験値稼ぎに没頭するよりは、このほうが見てる皆様も楽しいでしょう〜?
だから私この武器すっごく大好きなんです〜」
なんだか、納得したような、しないような・・・。
しかしながら、彼女との冒険が楽しかった事も事実です。
楽しくて、何より思いやりにおふれていると感じました。
登録されているショートカットの一つ一つにも優しさが感じられる・・・
といったところでしょうか?
すごく気持ちよくプレイできました
それから暫くして、一人の方が入ってこられました。
軽く挨拶を交わしリューカーをはって、合流します。
3人で遺跡に行くことにしました。
新しく入ってこられた方は、結構口の汚い方で、本心からではないんでしょうが
(多分場を盛り上げるつもりだったのでしょうが)
わたしに対して暴言を吐きまくっていました。
やれ年寄りだの、オタクだのと余計なお世話です。
普段なら即効でぶちきれていたでしょう。
しかし、すべての暴言に対して彼女は、わたしの代わりに受け答えし、
さも自分が中傷されているかのようなパフォーマンスを取り、
そして全てをやんわりと受け流して、
場の雰囲気が壊れないように壊れないように、
ふるまいました。そうしてるうちに、
その新しく入ってきた人もその標的を彼女にかえ、
彼女はその全てを良い方向に持っていくようにしてくれたおかげで、
わたしはほとんどいやなおもいをせずにすんだのです。
私は彼が居なくなってから、かのじょにきいてみました。
なんでそこまでするの?
「ん〜?なんのことでしょう?」
さっきの人、酷いこといってたじゃない
「ん〜。少しだけ、真面目なお話です。」
はい。
「ようは私はピエロなんです。」
?
「つまりみんなが楽しくあるためならば
どんな泥でも被って見せます・・・ってことなんです。」
なにもそこまでしなくても・・・
「そうですね〜。でも、性分なんですよ〜。
確かに良い迷惑なおせっかいかも知れませんが、
それでも皆様楽しいのが私は一番楽しいから・・・
そんな人間が一人くらい居てもいいかなぁって。
あ、私人間じゃなくて鉄でしたね〜」
そう言う問題じゃないだろ
「ふふふ。そうですね〜。」
つらくない?
「いつだってつらくない・・・っていったら嘘になります。
でも、その分の見返りは在ります。
私は自分の自己満足のためにやってるのですから、
とってもつらいなんていえません」
「くすくすっ」っと彼女は笑い、
その少しあと「ん・・・電波が〜」の謎の台詞を残して去っていきました。
しばらくして、カードを交換し損ねた事に悔やみましたです。
これほど悔やんだのは初めてでした。
暫く日のたったバージョン2発売の数日前。
ニューバージョンについて、もちきりのロビーに私は一人佇んでいました。
ロストです。
凄く虚しくなって、なんとなくぼけっとしていたのですが、
ふと何の拍子か思い立って、ペディにあったロビーへとむかいました。
するとそこには、あの日と同じように彼女の、ペディの姿がありました。
やっぱりこの間と同じように勧誘しています。私は近づいて話し掛けました。
「あらー。おひさしびりですね〜」
彼女は前と同じのんびりとした調子で返してきます。
しょうじき、覚えてないと思った。
「えぇ、私物覚え悪いので奇跡ですよー」
・・・酷い話だな。
「うぅ、ごめんなさい〜」
でも、それが嘘だって言うのは分かりました。
なぜなら彼女には割と知り合いが多いようでよく話し掛けられていました。
それでも、相手をちゃんと覚えていて、だれとでもすっごくたのしそうにはなすのです。
何はともあれ、その場で部屋を作りましてロスとした事を伝えました。
「暫く待ってくださいね・・・」
銀行で何かをしたあと、彼女は私の前に立ちアイテムを置いていきました。
それこそ、高級品も含まれていて
私はそのころにはすっかり元気を取り戻していました。
アイテムも勿論嬉しかったのですが彼女の気遣い、
そして何よりも彼女に再び会えた事が効いたようでした。
「それから・・・ごそごそ」
そう言うと彼女はマグとバズーカを床に置きました。
でもバズーカはお気に入りだったはず・・・
「いいんですよぉーきにせずつかってやってください〜。」
「予備もあるから気にせずに・・・」
そういって彼女は私のロスト復旧を手伝うために一緒にぷれいしてくれました。
けれども、私はそのとき気づいたんです。
彼女がハンドガンを手にマグをつけずに戦っている事に、
私は彼女の優しい嘘に気がつき、画面を見つめ泣きそうにすらなりました。
そして、自分が何で彼女を探したのかを鑑みて、吐き気がしました。
私は、腹のそこで、其れこそ無意識のうちに、彼女ならきっとアイテムをくれると
思っていたのです。なんだかとても自分が卑小に思えてきました。
そして、彼女にアイテムを返し、
其れと同時に自分の打算的な心をあかそうと思いました。
私は床に貰ったアイテムを置きました
「いいんですよ、頼ってくださって。私で宜しければいつだってお助けします。
いつだって当てにしてきてください」
そう、彼女が言い、私は全てを見透かされていたような気がして、恥ずかしく、
でもそれ以上に彼女の気遣いがとてもうれしかったんです。
そしてその日を最後に彼女とは会えていません。
カードも貰ってないんです。是非、もう一度会ってお礼がしたいので、
もし彼女の事を少しでも知っておられる方がいらっしゃいましたらレス下さい・・・
お願いします。
最後に非常につたない文章を長々とよんでいただき心から感謝いたします。
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