ファンタシースターIII - story -

それは1000年前、突然襲った破壊の傷跡であった。

当時、人々は科学の光の中で幸せに暮らしていた。
だが、ライアと名乗る少女の出現によって、平和は崩壊した。
彼女はモンスターを造り出す不思議な力を使い、世界を征服しようとした。
この力の前に、不滅を誇る超科学文明もなす術を持たず、
彼女とその片腕たるエシル家公子によって瞬く間の世界の大半を占領された。

全ての者が絶望に呻いたとき、ある国に1人の青年が現れた。
オラキオ=サ=リーク。それが彼の名であった。
彼は、当時の超高度科学技術の結晶たるロボット軍団を率い、
ライア軍に敢然と立ち向かっていった。

突然現れたロボット軍団に、ライア軍は浮き足立ち、敗走を続けたが、
その後なんとか体勢を立て直し、戦いを互角にまで戻した。
戦いは混沌とし、双方共この状態に決着をつけるため、
持てる力を全て使った決戦が行われようとしていた。

オラキオは最も信頼をよせるアンドロイドミューンとロボットサイレン、
そして最強のロボット軍団を従え、最後の戦いに挑んだ。
戦いは熾烈を極め、この戦いで、ライアとオラキオは相打ちとなり、
エシルは宇宙の彼方へ追放され、また、ミューンとサイレンも行方不明となった。
リーダーを失ったそれぞれの軍は、
互いに自然消滅し、ここに勝者なき戦いは終わった。

戦火の中で、文明を支えた装置と記録は失われ、人々の生活も頽廃した。
だが、平和だけは確実に戻った。

その後、オラキオの民と共に戦った人々の子孫は『オラキオの民』と呼ばれ、
ライアに与して戦った者たちの子孫は『ライアの民』と呼ばれるようになった。

そして、この戦いは『ライアとオラキオの戦い』と呼ばれ、一つの伝説となった。

1000年の時が経ち、文明の記録は神話となり、
ライアとオラキオの戦いも伝説と呼ばれるようになったころ。

勇者オラキオの血を受け継ぐリーク家の王子、ケイン=サ=リークは、
近隣の見回りを兼ね、浜辺を散歩していた。

と、彼は、浜辺に何か流れついているのを認め、近寄った。
それは、美しい一人の少女であった。
彼は急ぎ、少女を王城まで運び、手当を施した。

ケインの手厚い看護のかいあってか、少女は意識を回復した。
だが、その記憶にはマーリナという名の他には何も残っていなかった。
ケインは、行く宛のなくなった彼女を自分の客として、王城の一室を貸し与えた。

それからしばらくは、二人にとって淡い幸せの時が過ぎていった。
ケインには、隣国にサテラ姫という、幼いときに決められた許嫁がいたが、
ケインの気持ちは、見たこともない女性より、毎日そばにいて
かいがいしく自分につくしてくれている少女の方に気持ちが傾いていった。

そして、ケインはマーリナとの結婚を決意し、
両親である王と王妃に自分の気持ちを打ち明けた。
両親は当然のごとく反対したが、
ケインの固い決意の前に、ついに説得を諦め結婚を認めることとなった。

その頃、リーク国の領土内では、
頻繁にモンスターが出没するようになり、人々を不安に陥れていた。
人々の話では、それはちょうど1000年前の『ライア=オラキオ戦争』のときに
ライアが造り出したモンスターに似ていたという。

そんな暗く沈んでいたオラキオの民たちにとって、
彼らの結婚は明るい話題として町を賑わせていた。

そして、ケインとマーリナの結婚式の日が訪れた・・・

取り扱い説明書より

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